2019年7月30日火曜日

117. 晩秋の防衛戦(7)

みつばち漫画みつばちさん:117. 晩秋の防衛戦(7)

みつばち漫画みつばちさん:117. 晩秋の防衛戦(7)

昆虫の場合、顎の機能は人の歯に当たると考えるとわかりやすいです。人の場合顎で齧る、って変ですが歯で齧る、ならわかりますよね。

ミツバチさんも門が狭過ぎたりして活動しにくいと、結構木をガリゴリ齧るそうです。でも雄蜂さんは大顎も蛹から出る時に使うだけで華奢だから役には立たないかも。

2019年7月29日月曜日

116. 晩秋の防衛戦(6)

116. 晩秋の防衛戦(6)

116. 晩秋の防衛戦(6)

※熱殺のための団塊~門の前では狭過ぎる
ニホンミツバチさんがオオスズメバチに反撃するには、次々に飛びかかって緊密な蜂の塊の中に封じ込めて自分たちの致死温度より若干低い敵の致死温度まで加熱し、熱で殺す。オオスズメバチはそうさせまいと暴れるので、ある程度限られた場所の方が動きを封じるためには都合が良いが、外の狭い発着台では下に転げ落ちられたりして団塊形成が困難。この巣箱では箱の中で戦うのが望ましい。

※突破に時間がかかるので大軍が入って来る
オオスズメバチは侵入のため齧りながらお尻から仲間を集めるフェロモンを出すので、破城に時間がかかるほどに敵が集まって来ることになる。速やかに偵察を撃破して短時間に敵がつけた匂いを除去すれば、放出された化学物質の量そのものが少なく、それが空気に晒されている時間も短いので敵援軍が来る可能性は低く抑えることができる。

いつか見た帝国のように壁が厚ければ侵入をあきらめることもあるが、我らがミツバチさんたちのおうちは安普請のようだ。ただ、あの巣箱は西洋みつばち用で門戸が広かったので、オオスズメバチはそのまま出入りできるため、せっかくの堅牢な城壁も防戦上は、あまり意味がない。

2019年7月28日日曜日

115. 晩秋の防衛戦(5)

みつばち漫画みつばちさん:115. 晩秋の防衛戦(5)

みつばち漫画みつばちさん:115. 晩秋の防衛戦(5)

※オオスズメバチに敬遠されるには家が小さい
前回は「知り合い」の偵察役を放棄された群れの貯蜜に誘導して事無きを得たものの、規模としては「勝てる」と判断されたため。働き蜂がたくさんいる強群で被害が利益を上回ると判断した場合は偵察は他を探しに行き、多くは二度と来ない。

2019年7月27日土曜日

114. 晩秋の防衛戦(4)

みつばち漫画みつばちさん:114. 晩秋の防衛戦(4)

みつばち漫画みつばちさん:114. 晩秋の防衛戦(4)

ムカデも天敵ですが、まあ、「じーさん」の好物はコオロギですから…

2019年7月26日金曜日

113. 晩秋の防衛戦(3)

みつばち漫画みつばちさん:113. 晩秋の防衛戦(3)

みつばち漫画みつばちさん:113. 晩秋の防衛戦(3)

※女王様のダイエット
西洋ミツバチに比べるとニホンミツバチの女王蜂の卵巣小管が半分なので特にダイエットしなくても飛べるのは、天敵の強襲などにより予定外の逃去をすることがあるためでしょうか。でも、引っ越しで遠距離を飛ぶ可能性があるなら産卵を停止してお腹を小さくしておくに越したことはありません。

2019年7月25日木曜日

112. 晩秋の防衛戦(2)

みつばち漫画みつばちさん:112. 晩秋の防衛戦(2)

みつばち漫画みつばちさん:112. 晩秋の防衛戦(2)

※蜜集めのプロ
うちの野草にもニホンミツバチさんが来てくれるようになってわかりましたが、蜜/花粉集めだけ眺めていても個体によってスキルも効率もスタイルも全然違うことがすぐにわかりました。一番上手な、翅が少しすり切れたオレンジがかった縞のあるベテランさんは次の花群を探す時に一旦高く上がって上空から探すので、低い薮の間をあてもなく低速で飛んで探すよりも蜘蛛の巣に引っかかる危険が低そうです。観察するには見失い易いので辛いですが。また、蜜を集めながらも花粉団子の成長も早く、熟練の技を感じます。

2019年7月24日水曜日

111. 晩秋の防衛戦(1)

みつばち漫画みつばちさん:111. 晩秋の防衛戦(1)

みつばち漫画みつばちさん:111. 晩秋の防衛戦(1)

11月ともなるとスズメバチは最後の追い込みに入り、狙われるミツバチさんは不安な季節です。

2019年7月23日火曜日

110. ハウスハント

みつばち漫画みつばちさん:110. ハウスハント

みつばち漫画みつばちさん:110. ハウスハント


毒の花粉のことも喉元過ぎて忘れているわけではありません。地道に新居を探しているのでありました。山の向こうも私から見れば充分田舎ですが、ミツバチさんにとっては、今いるところより「建物いっぱい」らしいです。

新居の下見は、全ての群れが行うわけではありませんが、明らかに行っていることがあるそうです。ニホンミツバチの方が下見してあるらしい引っ越し/巣別れの目撃件数が多いように思うのは身軽に引っ越しするから? 「家畜」ではなく家族として愛されていることが多いのでよく観察されているからかもしれません。

土地の開発で自然な木のウロなどの営巣場所が奪われる一方、人家の屋根裏、お墓などの人造物を利用することでミツバチさんは都会でも逞しく生きています。地下に巣を作るオオスズメバチが追随できないし、人里では見つかると駆除されるので天敵対策としてはいい面もあるようです。同様に人造物を利用できるキイロスズメバチも住宅街に進出していますが、脅威の大きさとしてはオオスズメバチの比ではありませんから。それにキイロスズメバチも見つかれば駆除対象です。まあ、ミツバチさんも駆除されてしまうことがありますが…。

ミツバチさんは駆除依頼を受けるお役所窓口に「引き取りたい」という人が声かけをお願いしている場合があるので、「駆除→殺さず引き取り」となることもあるのが救いです。

2019年7月22日月曜日

109. 前哨戦(2)

みつばち漫画みつばちさん:109. 前哨戦(2)

みつばち漫画みつばちさん:109. 前哨戦(2)

とりあえずの危機は脱したようです。が、そうです、オオスズメバチの群れは一つではありません。寒さが本格化し、オオスズメバチが活動を停止するまでミツバチさんは安心できません。

できる限りの助言をくれて去って行く女兵士も来年のために繁殖個体である雄蜂と新しい女王を育てたら役目は終わり、春の息吹を見るのはかなわぬ定め。暖房によって冬眠せずに全員で冬を乗り切るミツバチさんの暮らしは本当に驚異的です。強敵の熊でさえ寒さにはかなわず冬ごもりをするというのに。

※タンパク質はキイロスズメバチで
人間からすればミツバチさんよりキイロスズメバチの方が怖いですが、オオスズメバチから見れば下位のスズメバチはニホンミツバチよりも犠牲が出ないし筋肉も多いしで、むしろカモなのですね。

※無防備な外来種…西洋ミツバチは進化の過程でスズメバチという天敵がいなかったため、対抗策を身につけておらず、攻められると隊列を組んで一匹ずつ突撃し、玉砕してしまいます。西洋ミツバチが日本では人間の保護が必須であるのは一つにはこのためです。

2019年7月21日日曜日

108. 前哨戦(1)

みつばち漫画みつばちさん:108. 前哨戦(1)

みつばち漫画みつばちさん:108. 前哨戦(1)

幸せいっぱいのミツバチさんだけを描いていたいけど、ミツバチさんの生活史に秋は「スズメバチの攻撃に耐える」と書かれるほど、暮らしの一部なのですよね。ミツバチさんの世界は厳しいなあ。

オオスズメバチは恐ろしいけど、ニホンミツバチから徹底的に盗む癖のあるセイヨウミツバチが野生化しないのは彼女たちとダニのおかげだし、犠牲を減らすためにも弱い群れから襲ってくるから自然の個体数調整の仕組みの一環でもあるし、悪とは言いきれないものですが、やはりそばに来るとその大きさにビビります。でもオオスズメバチも静かにしていると慣れるみたいですね。

というわけで、まずは兵力のデモンストレーション。大勢の働き蜂が外に出て「うち強群よ! 高くつくわよ!」と見せています。

しかし敵の偵察は、いつか(77. ジャイアント)助けたオオスズメバチの女兵士。あの時、襲われないような強群にしておけという助言を貰ったのでしたが、現状では「勝てる」と判断されてしまった模様です。

オオスズメバチが個でなく群れとしてのミツバチを襲う時、狙いは巣板に詰まった蜜と子供達。おとなが逃げ出しても巣を乗っ取れば、寒くなって活動している虫が減っている季節にあって、かなりの栄養源を確保できるので犠牲を覚悟で本気で襲ってきます。「不気味な城」の遺産で満足してくれるでしょうか?

※珍味…普通はこんな時期に雄蜂はいないから。

2019年7月20日土曜日

107. ベタベタ

みつばち漫画みつばちさん:107. ベタベタ

みつばち漫画みつばちさん:107. ベタベタ

ガムは噛み終わったら紙に包んでゴミ箱へ!

ニホンミツバチさんは耐病性が強いせいかプロポリスを集めないのですが、セイヨウミツバチさんなら色気アリさんの穴をプロポリスで塞ぐかも? プロポリスもベタベタするので集めて来た蜂さんは自分では取れずに仲間に取ってもらうんですよね。


2019年7月19日金曜日

106. ハーブ天国(4)

みつばち漫画みつばちさん:106. ハーブ天国(4)

みつばち漫画みつばちさん:106. ハーブ天国(4)

キノコを育てるシロアリがいるのは本当です。なので、同じように高度な社会生活を営むミツバチさんだって、サクランボの種なんかは大き過ぎて運ぶのは無理でしょうが、粉のような種は運んで蒔いてもよさそうな気がします。

でも、いわゆる雑草をバリバリ栽培しているとお庭に巣箱を置いてくれる人には嫌われてしまうかもしれないですね。せっかくの花壇から大量のカナムグラがニョキニョキ出て来たりしたらねえ。

2019年7月18日木曜日

105. ハーブ天国(3)

みつばち漫画みつばちさん:105. ハーブ天国(3)

みつばち漫画みつばちさん:105. ハーブ天国(3)

ハーブはもともと野草なので蜜源になるものが多く、長く咲く種類が多い、しかも有機で農薬の心配が無い有機ハーブ園なんて、そういえばミツバチさんのためにあるみたいですよね!

うちは湿度が問題で外国のハーブはあまり咲いてくれないのでオーガニック野草園がせいぜいですね~。

2019年7月17日水曜日

104. ハーブ天国(2)

みつばち漫画みつばちさん:104. ハーブ天国(2)

みつばち漫画みつばちさん:104. ハーブ天国(2)


ハーブ蜜は個性的なものが多いようですが、外国では人気があるそうです。ミント蜜なんて美味しそう~。

セイヨウオオマルのオバチャンは、ハウス授粉用に輸入されたものが野生化しています。勝手に連れてこられたオバチャンには罪はありませんが、舌が短いけど鋭いので届かないものは穴をあけて盗蜜してしまい、当然その花は授粉されないことになり、授粉がなされない問題にも蜜源が足りない問題にもダブルパンチ。

人間のすることに100%は無いのだから、絶対逃がしてしまうに決まってるのにねえ…。

ちゃっかりさんのミツバチさんの中には、こうした経験から自ら穴をあけて盗蜜することを学習してしまう個体もあるとか。ただ、同じ位置には固くて舌が通らないのでもう少し柔らかいところに刺すそうです。

うちに来るトラマルハナバチさん一家も女王様はある日ホトトギスから盗むことを覚えてしまいましたが、交代で来るようになったお嬢さんたちはキチンと正面から吸っていました。採蜜のテクニックは個々の学習に依るところが大きいということがよくわかります。

2019年7月16日火曜日

103. ハーブ天国(1)

みつばち漫画みつばちさん:103. ハーブ天国(1)

みつばち漫画みつばちさん:103. ハーブ天国(1)


未探索の西エリアに描きこまれた広大な土地は何かと来てみれば、オーガニックハーブ園?

2019年7月15日月曜日

102. ハーフ・フル

みつばち漫画みつばちさん:102. ハーフ・フル

みつばち漫画みつばちさん:102. ハーフ・フル

一緒にいるのが好きな理由「なんかどうでもいい」と言い切る働きバチさんに、それは愚問だったようです。

「気が合うけど家族じゃない」より「家族じゃないけど気が合う!」ですよね!

もはや立ち上がった卵を確認することはできませんが、現時点で殿下が西洋ミツバチである動かぬ証拠といえば、これ。後翅の翅脈のパターン。きれいに分岐しているのが日本ミツバチ、二股には見えないのが西洋ミツバチです。

普通は同定したい蜂さんといえば訪花中の働き蜂さんであろうためか、写真が多いためか、必ず働き蜂さん同士を比べている図になっています。なので、私も最近まで働き蜂さんだけの特徴だと思っていました。女王様も雄蜂さんも同じだそうです。

※基礎知識
雄蜂さんは翅繕いしてもらうことはあっても、することは無いそうです。顎(用途としては歯)も小さくて実用的ではないし燃費も悪いから、効率を重んじるミツバチ社会としては、最適な選択ということでしょうか。

「する」ことの証明は簡単でも「しない」証明は難しいと思うのですが。

蜜を巣房から直接自分で取ることも以前は「しない」と言われていましたが、「している」ことが報告されているので、今後に期待したいところです。

西洋ミツバチさん同士の翅繕いも、「ほとんどしない」と言われていましたが、今はバラつきがあって割とする群れもあることがわかっていますよね。それでも日本ミツバチさんに比べたら少ないことには変わりないようですが。

もうちょっとカメラをまわしておけば、この後殿下がちゃんと交代してお返しの翅繕いをしてあげたかどうかわかったのですが。

2019年7月14日日曜日

101. ヒメベッコウバチ

みつばち漫画みつばちさん:101. ヒメベッコウバチ

恒例の「重めのシリーズが終わると出て来る他種紹介おバカ話!」

志村ー! タイトルー! それに、アリガタバチの奥さんには翅がありませんよ~! 殿下、しっかり~!

2019年7月13日土曜日

100. あなたはだあれ?(10)

みつばち漫画みつばちさん:100. あなたはだあれ?(10)

みつばち漫画みつばちさん:100. あなたはだあれ?(10)

長い間ひとり苦しんでいた悩みも今は昔、晴れて群れの一員となった殿下。これからも仲良しの働き蜂さんと楽しく未来を描いていくことでしょう。

めでたし、めでたし!

注)折しも第100話、私にとっても大事な区切りではありますが、これで最終回というわけではありません。

2019年7月12日金曜日

99. あなたはだあれ?(9)

みつばち漫画みつばちさん:99. あなたはだあれ?(9)

みつばち漫画みつばちさん:99. あなたはだあれ?(9)

やはりお見通しでした…。

ねえやにも一人前と認めてもらって、殿下、よかったですね。

2019年7月11日木曜日

98. あなたはだあれ?(8)

みつばち漫画みつばちさん:98. あなたはだあれ?(8)

みつばち漫画みつばちさん:98. あなたはだあれ?(8)

女王様がねえやを引き留めたのは、罰を決めるためではなく何となく話したい気持ちになったからだったみたいですね。

思ったことを何でも口にしてしまう女王様、時々感情のままにすごいことを言ってしまいますが、それは裏表がなく、逃げずに向き合ってくれるということでもあって、私は嫌いではありません。

働き蜂さんが、殺される予定の妹女王を庇うことは、実際にあるそうです。毒針を使った果たし合いになってしまってから仲裁に入ったりも。その場合、一度ケンカをなだめると、二度と殺し合いにはならず、人為的ではない二女王制が成立することも。

群れを一つの個体と見るなら、その個体にも個性が、性格があるように、温和な群れも厳しい群れもあります。でも、個々のミツバチさんたちの個性も馬鹿にできない幅があって、ミツバチさんがまだまだ進化していく途中なのだと感じさせられます。

近況にも書きましたが、ミツバチさんたちが好むというコセンダンとセイタカアワダチソウをご近所の目を忍んで放置して開花させた甲斐あって、我が家にもミツバチさんが来てくれるようになりました。訪花中のハチさんを目で追いかけるだけ、そんな限られた切ないおつきあいの中だけでも彼女たちの個性がよくわかり、可愛くて仕方がありません。

※基礎知識
新しく羽化した女王が巣板に胸を押し付けて翅を震わせ、眠っている妹を呼ぶ音をトゥーティング、王台の中から応える妹女王のたてる音をクワッキング、合わせてパイピングと呼ばれます。応える声をたどって妹を探し当てると、姉は自ら毒針を刺すか、王台の根元を齧って穴を開けて去る。後者の場合は働き蜂がよきにはからって次の処理ー妹女王を引き出して殺すことーを行います。

姉女王により妹女王の暗殺。ミツバチさんの暮らしの中でも人間の理解を超える超個体としての不思議さーある意味、怖さーを最も強く感じさせる習性のうちの一つではないでしょうか。

女王を失った時でも王台をあまり作らないし、巣分かれのための新女王も西洋ミツバチほど多くは作らない日本ミツバチでも、この現象は、あります。が、殺害を避けるために雨でも巣分かれしていったりすることもあるそうです。感傷的な意味をのぞいても希少な王乳をふんだんに使って育てた貴重な繁殖個体なので、できるだけ無駄にしないように努力するのは理にかなってもいます。

日本ミツバチファンとしては、こういうところでも温情的であることを嬉しく思うのですが、ただ、日本ミツバチさんを飼っている人達は趣味で飼っている人も多く、その分愛情をもって熱心に観察・記録されていることが多いので、細やかなことが表に出て来ている可能性もあることを頭の片隅には置いておいた方がいいかもしれません。

そもそも王台が複数作られるのは何かあった時の予備という意味が少なからずあるので、個々の蜂ではなく群れを一個体と見た時、これは不要になった細胞が体に吸収されるような現象に過ぎないのかもしれません。ですが、前述のように働き蜂が「よきにはから」わず妹女王を助け、結果的に姉が分蜂していくこともあるので、それは効率と合理性を追求した結果である超個体の全体意志という説明だけでは足りないように思える部分でもあります。

第一線で活躍している学者さんたちほど「まだまだ分からないことが多い」と繰り返すように、マイクロチップや赤外線カメラなどの登場で個々の蜂を巣房の中までも追跡することが可能となり、全てのゲノムが解読されたといっても、依然としてミツバチさんの暮らしは神秘に包まれています。

2019年7月10日水曜日

97. あなたはだあれ?(7)

みつばち漫画みつばちさん:97. あなたはだあれ?(7)

王乳をさまざまな中途半端さで幼虫に与えて成長を見る実験では、結果は女王様のおっしゃる通りでした。一部女王っぽい働き蜂になったり、まだらになったり、正常に羽化できなかったり。普通に働き蜂になるものも少数ですがいました。その寿命がどうであったかについては追跡されていないようです。

とにかく殿下がまだら女王様(想像しないでネ♡)になったりもせず元気に育ってよかった、よかった。

ところで女王様の過去に何が?

2019年7月9日火曜日

96. あなたはだあれ?(6)

みつばち漫画みつばちさん:96. あなたはだあれ?(6)

みつばち漫画みつばちさん:96. あなたはだあれ?(6)

オオスズメバチ来襲か? というほどの猛抗議を受け、殿下の功績も考慮して異種にもかかわらず、とどまることを許してくれた女王様、ありがとう! これにて一軒落着!


女王様の「Gでもいいわよ!」のGとは、台所に出る黒っぽい大きい虫のことです。苦手で字面を見るのもツライ人達の間で(私とか)隠語として使われます。

※基礎知識
実際にはミツバチさんは絶対王制というよりは民主主義で、新居を決める際など、意見の一致を見るまで辛抱強く投票を繰り返すそうです。決まらずその場で開放巣を作る結果になってしまった例もあるとか。それでいいんかい! という感じですが。

いずれにせよ、「働き者の娘たち」の意見がここまで一致していれば女王様に決定権があったとしても、ほだされずにいられないですよね。

2019年7月8日月曜日

95. あなたはだあれ?(5)

みつばち漫画みつばちさん:95. あなたはだあれ?(5)

みつばち漫画みつばちさん:95. あなたはだあれ?(5)

単なるよそ者どころか、種まで違うとわかった以上、これまでの養育にかかった資源のことを置くとしても、雄蜂の唯一の仕事、結婚、でさえ群れにとっては無意味、どころか妨害の意味さえあります。追放を言い渡す女王様の判断は妥当でしょう。もちろん殿下もそれはわかっています。仲良しの働き蜂さんが腕にしがみついて引き留めても、去りゆく足は止まらない。

種の違いにショックを受けたものの、別離を受け入れられない働き蜂さんは、敵に対する威嚇と仲間に対する警報の行為、翅を鋭く震わせて警戒音を出すシヴァリングを母なる女王様に向けてしまう。横にいるねえやも、そばにいる姉妹たちも…伝染するように伝わって行く警戒音は、やがて家全体を包み、外からも聴こえるほどに。ここまでの巣ぐるみの警戒音は通常、最悪の天敵、オオスズメバチが内部に侵入してきた時くらいにしか聴かれません。


紛らわしい部屋…女王様はまず部屋の大きさを探って、大きければ雄になる未受精卵を、通常サイズなら雌になる受精卵を産みます。

異なった地点から同時に作り始めたような場合(よくある)でも巣板は見事な幾何学模様を作りますが、接合部分にはどうしても大きさにばらつきが見られることもあります。そのような大きめの部屋には、特に雄蜂を発生させるつもりではなくても雄蜂の卵が産み落とされることになるはずで、日に何千と産むような場合、無意識に処理しているだろうから気がつかなかったのだろうと女王様は言っています。大きさの判定結果と弁の開閉は条件反射のように起きるんでしょうから。

また、働き蜂になるべく産まれた卵から2倍体の雄蜂が孵ることもありますが、これは近親交配の場合に起きるとされ、ちゃんとわかっている働き蜂が処理してしまうのでおとなにはなりません。

ところで「シヴァリング」ですが、昔の文献にはシヴァリングとなっていて、shiverという単語は翅を震わせて音を出すという行為の名称としてふさわしいと思うのですが、2000年以降の本で「シマリング」の方が多く、疑問です。shimmerはグツグツ煮える、というような意味で、翅を震わせてシャッ!という大きな音を出す行為とは結びつかないのですが、なぜこちらの用語に置き換えられたのでしょう。私としては何か新たな情報が得られるまでは感覚的に納得できる「シヴァリング」の方を使うことにします。

※追記
上記shimmerについて。結論から言うと1975年の坂上先生の名著『ミツバチのたどったみち』に
shimmeringとして記載があるので、正式にshimmerで間違いないようです。個々の行動より群れ全体が吹いた鍋のようにシューシューいう、という表現ということでしょう。

自然に翻訳がされている用語の中でshimmerというあまり一般的ではない外国語をそのまま用いていることが異様に思いましたが(shiverでも同様ですが)、これはよく考えるとニホンミツバチ特有の行動であり、確立された言葉が学界に無かったので、論文などで世界に向けて発信する都合上そうなったのかもしれないですね。

やはりニホンミツバチ特有の「振身行動」は何という英語になっているのか気になります。

2019年7月7日日曜日

94. あなたはだあれ?(4)

みつばち漫画みつばちさん:94. あなたはだあれ?(4)

みつばち漫画みつばちさん:94. あなたはだあれ?(4)

家族だと信じて疑わなかった殿下は西洋ミツバチだった? ちょうど蜜集めから戻って聞いてしまった働き蜂さんショック! うすうすそうじゃないかと悩んでいた殿下は確定してショック! プライドの高い女王様はよそものに卵を産まれてショック! 殿下をかばうために自分が何を言ってしまったのか分かってきたねえやもショック! どうなっちゃうんでしょう!

女王の健在な群れで

5)様子の違う幼虫を働き蜂が除去せず育てる ー これが一番難しいところだと思いますが、発育の遅いのをかわいいと感じるねえや、新米で実地経験とそれによって培われた自信がなかったねえやの個性が、それを可能にしたようです。

※基礎知識
日本ミツバチと西洋ミツバチの雄蜂の生育過程の違い
○生育期間は平均21日で西洋ミツバチの24日より3日短い
○日本ミツバチの雄蜂の蛹は雄蜂児が自分で繭になる時に作る小さな孔があいているのが特徴。蛹になる時には働き蜂が一旦蓋をするが、しばらくしてこの蓋が除去されるとこの小孔のあいた蛹の頭部が見える。

2019年7月6日土曜日

93. あなたはだあれ?(3)

みつばち漫画みつばちさん:93. あなたはだあれ?(3)

みつばち漫画みつばちさん:93. あなたはだあれ?(3)

そうです、生まれた時は全く同じ「雌になる卵」なのに、その後何年も生きる女王様になる卵と、寿命の短い働き蜂になる卵に分かれるのは、ひとえに食事の違い。滋養のある王乳、ローヤルゼリーしか生涯口にしない女王様と、新生児期を過ぎると蜜と花粉で育てられる働き蜂の食事の違いです。本来なら孵化後4日目から通常食になるはずが、いつまでも甘やかされてローヤルゼリーを貰っていたんですね、殿下は。それが長寿の理由でしょうか。

しかし、これぞヤブヘビ! 大事に育てた王子様にかけられた寄生虫ではないかとの不名誉な嫌疑を晴らすための証言が、かえって異種、確かにミツバチには違いありませんが西洋ミツバチであったことを暴いてしまうとは。

ねえやが見た「英雄のように立ち上がった卵」は西洋ミツバチの特徴。殿下の顔が濃いのは、実は西洋蜜蜂だったというビジュアル伏線だったのでした。

え? 働き蜂さんの容貌が他の姉妹の蜂さんたちと違うのは、ですか? それは科学的には「父親が違うから。」もっと端的には「主人公だから!」



さて、実際によその西洋蜜蜂がニホンミツバチの巣に潜り込んで産卵が可能かというと、かなり難しいですが不可能ではない、と判断しました。

1)よその西洋ミツバチが潜り込む ー 門番籠絡話でもあったように、蜜で買収、蜜を手みやげに突破、などの方法で割と普通に入り込めます。混成群も珍しくありません。

2)女王が健在なのに働き蜂が産卵 ー 稀ですが、あります。この特殊な状況を研究中の学者さんがいらっしゃるくらいですから。

3)女王が健在なのに働き蜂が産んだ卵が生き残る ー 普通は他の働き蜂が見つけると食べてしまいます。が、やはりこれも上記の学者さんの研究対象の一部なので、稀ですがあるそうです。殿下のケースのようにマークされていない隅の方だと確率は上がるかも。

4)西洋蜜蜂の働き蜂が産んだ卵が女王が健在な日本ミツバチの巣で生き残る ー よそ者は匂いで判別するので、一旦巣に入り込んでミツバチさんの生活には欠かせない蜜の受け渡しを行い、巣板に接触するうちに匂いは同じになっているはず。直立している、など様子のおかしい卵は発見されれば食べられてしまうでしょうが、やはり上記のように隅の方だと見つからないこともあるかも。

※基礎知識
[卵の違い]
巣房に産みつけられた、卵は…

ニホンミツバチ…横たわっている
セイヨウミツバチ…立ち上がっている

[王乳(ローヤルゼリー)]
女王蜂は生涯ローヤルゼリーしか食べませんが、働き蜂・雄蜂も産まれて3日の間はローヤルゼリーを給餌されます。

[異種婚と交雑]
西洋ミツバチと日本ミツバチが結婚してしまうことは、「稀にある」とされていた昔よりは「結構ある」というレベルにまで増えていることが最近の研究でわかっています。が、交雑は今のところ起きないので(正常な雌卵にならない)、在来種が上書きされてしまう危険派偶然回避されているものの、働き蜂を産むための結婚ですから、異種婚の結果は単にお互いに対しての損害になってしまっています。みんなが雄蜂殿下のようにストライクゾーンが狭ければ、あるいは遠慮してくれればいいんですけどね。進化の過程ではいなかった異種を人間の都合で持ち込んだ歪みがこんなところにも。2つの種がお互いの活動を妨害する攻撃手段として進化していったりしませんように。

アフリカ由来のキラービーの怖さも、何が怖いって、人を死ぬほど刺す、というのももちろん怖いですが、イタリアンなど他のどの亜種よりも早く羽化する特徴によってアフリカン新女王が他を殺してしまうので効率よく遺伝子の乗っ取りが行われることではないでしょうか。

近年になって西洋ミツバチ雄→日本ミツバチ女王の組み合わせが増えているのが偏った環境の観測結果なのか、品種改良の弊害なのか、は、一応研究者さんから警鐘が鳴らされているので少々ホッとはしましたが、肝心の人工授精や品種改良は養蜂家が自由に行えるので、実際にはどうなることか。

[ローヤル]
ところで日本では多分明治の日本の近代養蜂の幕開けの時の読み下しのままなのか、伝統的にローヤルと呼ばれています。が、王族の、というroyalの読み下しなので世間と足並みを揃えるならロイヤルゼリーとすべきだと思うのですが、定着し過ぎなのか、ロイヤルゼリーとしておくと商品検索に引っかからないことを恐れてか、商品名としてはローヤルのままが圧倒的の多いですね。あまりにも堂々としているので、私は最近まで何か別の単語なのかと思っていました。