2019年6月30日日曜日

87. あの頃(4)

みつばち漫画みつばちさん:87. あの頃(4)

みつばち漫画みつばちさん:87. あの頃(4)

短い命が燃え尽きる前にこの世を見ておきたいと願った雄蜂殿下と、全力で楽しみながら今を生きる働き蜂さん。生き方がまるで違うふたりは、こうして出会い、連れ立って出かけるうちに仲良くなっていったそうじゃ。

2019年6月29日土曜日

86. あの頃(3)

みつばち漫画みつばちさん:86. あの頃(3)

みつばち漫画みつばちさん:86. あの頃(3)

なぜ王子様を午前中に外に連れ出すのが言語道断かというと、ずっと読んでくださっている方にはもうお分かりでしょうが、巣分かれや引っ越し以外で雄蜂が外出する唯一の目的、結婚、の行われる時間はハッキリと決まっていて、ニホンミツバチの場合は午後からなので、該当時間以外の外出は厳しく言えば共有財産である蜜の無駄だからと思います。また、本来の任務ん以外のためにプラプラ外に出て天敵に捕食されでもしたら、大事に育ててくれた群れにとっては損失となります。

しかしこの漫画の舞台となっている群れではこれが前例となってしまったのか、殿下は毎日自由に外出していますが。

2019年6月28日金曜日

85. あの頃(2)

みつばち漫画みつばちさん:85. あの頃(2)

みつばち漫画みつばちさん:85. あの頃(2)

外を見たいが家に帰れるか不安なので誰かにインネンをつけてエスコートさせようという自分勝手な殿下と、そんな策略を疑いもせずコロリと引っかかる働き蜂さん。出会って即意気投合したのではなかったようですが、働き蜂さんは昔から今のような性格だったようです。

2019年6月27日木曜日

84. あの頃(1)

84. あの頃(1)

84. あの頃(1)

2コマ目の雄蜂殿下がほっそりとして幼いのは、羽化したらハイ、オトナ、というわけではなくて、足りなかった栄養を摂ってあちこち発達して体が完成するまで、しばらくかかるからです。それは働き蜂さんも同じです。

西洋蜜蜂に比べて小規模とはいえ、何千~何万という住民を抱えるミツバチさんの群れでは、家族といえども顔を合わせたことも口をきいたこともない相手がいるのは珍しいことではないでしょう。

この漫画が始まった時には既に仲良し、いつも一緒にいるふたりになっていましたが、やはり初めて顔を合わせた日があったのでした。朝を待つコンビニの夜、語るともなく語られるふたりの出会い!

2019年6月26日水曜日

83. 避難

みつばち漫画みつばちさん:83. 避難

みつばち漫画みつばちさん:83. 避難

前回1コマ目にちらっと見えたコンビニの看板は随分遠そうでしたが、頑張ったようです。コンビニの看板が高く突き出して遠くからも見えるようになっているのは、ドライバーを誘い込むだけではなく、雨に迷う蜂さんを導くためでもあったのでしょうか!

自転車でツーリングに行くと補給基地としてコンビニ様に助けてもらっていますが、裏にあるあのうるさいもの、夏場など日陰で涼みながらアイスでも食べようと思って裏に行くとボワーと熱風が出てくるのですよね。アイスが溶けるぅ、と、慌てて移動したり。でも夜に迷う殿下と働き蜂さんには頼もしい救いの暖房装置に。

夏の家出で広めた見聞が今役に立ち、全くの恥かき家出ではなくなってよかったですね、殿下。ふたりが目隠しをしているのは、虫さんは暗いと明るいコンビニの照明につい引き寄せられてしまう上、さらに家出の時にも言っていたように「処刑装置」=殺虫灯の紫外線で積極的に虫を集めて殺している場合もあるので危険だからです。殺生抜きで虫さんが明かりに集まる問題を解決するための紫外線を含まない電灯も存在するのですが、高価なので普通のコンビニにはついていないでしょう。

とにかく、たっぷり眠ってポカポカで、すっかり元気を取り戻した働き蜂さんです。


目隠しをされているのに殿下が隣にいるのがわかるのは、触角で匂いを感じることができるからだと思います。触角には嗅覚の他にも温室時計やジャイロなど、さまざまな機能がいっぱい詰まっているので、目隠ししている同士でも5コマ目のように触角が触れ合えばかなりのことがわかるし、安心できるんじゃないかな~。

2019年6月25日火曜日

82. そして雨が

みつばち漫画みつばちさん:82. そして雨が

みつばち漫画みつばちさん:82. そして雨が

表面積に対して体重が軽い上に空気抵抗の大きな翅があるので墜落によるダメージを受けないのは幸いでした。

とはいえ、遠足のつもりで軽い気持ちで出発、寄り道までしていたツケでしょうか。力つきてしまった働き蜂さんの意識が戻るのを待っているうちに、空はもうかなり暗いではありませんか。そして、ああ、なんと雨まで降り出して。

男なのに女の子に荷物を持たせていた雄蜂殿下ですが…「買い物袋のような」蜜胃が小さくて持てないのだから仕方がありません。でも、長距離専門である自分の方が長く飛べるのだから同じペースで飛ばせてはいけないし、ましてや荷物の分の負担があることを失念していたのはまずかったですよね。働き蜂さんも無理して落ちる前に「疲れたよー!」と言えばよかったのに~。でも、突然来るのですよね。虫さんの場合、特に。眠気も、疲労も。

ところで

「虫も寝るの?」

と思っていませんか? 私は思ってました! 寝ます。内勤蜂さんはプラプラしながら昼間も少しずつ眠ったりするので夜の冷暖房業務も可能ですが、外勤蜂さんは夜まとめて寝ることがわかっています。早朝も飛んだのに、遠足…じゃなくて探査のために遠くを指して飛んでいた働き蜂さんの体力が限界に達してしまったようです。

暖かい季節なら、なぜか花の中で夜を明かす蜂さんもいるそうです。ニラたん(うちに通っているキイロスズメバチ)も白ゴーヤにしがみついて寝ていましたし。要するに眠気が「突然来た」ということかもしれませんが。でも今はもう秋※。おうちの中は35度でポカポカなのに慣れているというのに、秋の夜は冷えます。体温を保てず動きが鈍くなったところに夜行性の虫でも来たら! 疲労の極に達した働き蜂さんは眠りに落ちたのか、また意識を失ってしまった。どうする殿下!

…こういう煽り文句を自分で書くというのは全くもってテレくさいですが、編集さんと違って全て自分でわかっているので意図と違うことを書かれたり強調されたりする心配がなく楽ではあります。なんだか「ミツバチさんが読めるのは当サイトだけ!」(そりゃそうでしょう)とか書きたくなってきました。

※秋...この漫画は過去に別の場所に投稿していたのを少しずつ移動させているので季節に齟齬があります。書いた当時は晩秋にかかる秋で、漫画の中の季節も同様になっています。ブログの「引越し」で一気にできないと大変ですねえ。転居前と転居後のどちらに問題があるのかわかりませんが。

2019年6月24日月曜日

81. 雨雲

みつばち漫画みつばちさん:81. 雨雲

みつばち漫画みつばちさん:81. 雨雲


子供達がお腹を悪くしただけなので、それほど深刻な問題とは思っていなかったのに、もしさっきの空き家が、探しているもののせいでああなったのだとしたら? 近づいてもいいものなのか、逃げた方がいいのか。でももう少しだから…。

この「もう少しだから」とか「ここまで頑張ったのだから」などという考えが判断を誤らせるのですよね。いろいろな状況で。

「もう少しだから」頑張って飛んでいた働き蜂さんが、突然糸が切れたように落ちて行く…。

2019年6月23日日曜日

80. 神隠し

みつばち漫画みつばちさん:80. 神隠し

みつばち漫画みつばちさん:80. 神隠し

※王台…女王蜂を育てる専用の部屋。その中で幼虫が育っているということは巣分かれ(分蜂)が近いということ。女王を失って慌てて作られる変成王台は順調な予定に乗って作られるものとは一般に形状が異なるので区別がつきます。

自分が来たがって、働き蜂さんを引きずってまで押しかけたよその家から、今度はなりふりかまわず逃げ出す殿下。西洋ミツバチの家だったらしい謎の空き家は、溢れんばかりの蜜が残されているだけでなく、世話を必要とする幼い子供達も残されてそのまま…。

現実に日本でもこのようなことが、花を訪れて子育てし、平和に暮らしていたミツバチさんの群れに突然起きています。

これだけ見るとCCDの典型例のようですが、私は欧米のCCDの影響を受けて女王蜂の輸入が一時止められたことによる蜜蜂不足が起きたことはあるものの、現象としてのCCDは日本ではまだ起きていないと理解しています。

では、この巣箱には何が?

日本でのミツバチ失踪はCCDとは切り離して考えるべき問題だと思います。目に見える状況としては酷似しているので紛らわしいのですが、日本ではこのように失踪した巣箱に他の群れが入った場合、問題なく暮らしていくケースが多いのに対し、欧米では次に入った群れも同じように滅んでしまう点が違います。

「ミツバチがいなくなっても困らない、蜂蜜食べられなくてもいいよ!」という学者さんがいてビックリしましたが、「ミツバチ以外にも草木の受粉を助けていた昆虫が激減して必要な農作物の授粉が行われないことによる経済損失が甚大」というのがミツバチ失踪が世界的な騒ぎになった直接の理由です。

欧米ではさまざまな原因が検討されていく過程で、効率と利益を追求するあまり、ひどい労働条件でミツバチを長年に渡り酷使してきたたことが明らかとなり、個としても群れとしても種としてもミツバチを追いつめてしまったのかもしれないという反省から、ミツバチの待遇を改善し、健康を取り戻させよう、という流れになってきているようです。フランスでは国レベルで沿道に花を植えるプロジェクトも始まったそうでうらやましいです。

日本では、幸いにも欧米での事例を教訓として事前に危機を回避するチャンスがあるにもかかわらず、調査も対策も遅れている状態に見えます。

さらに怖いのは、ミツバチを家に帰れなくするものが人間にもどうやら影響があるらしいということがわかってきたことです。

CCDについて興味のある方は以下の本が予備知識が無くても順次説明されて、わかりやすいです。読み物としても巧みで引き込まれます。
『ハチはなぜ大量死したのか』 ローワン・ジェイコブセン

日本におけるCCDについては
『ミツバチは本当に消えたか?』 越中矢住子
という本があります。1冊目に挙げた本の著者さんも来日して取材した成果を巻末に追加してくれていますが、日本でのCCDについてはこちらの本の方が当然ずっと詳しいです。でも、この本の前提条件として1冊目をまず読まれることをおすすめします。

2019年6月22日土曜日

79. よそんち

みつばち漫画みつばちさん:79. よそんち

みつばち漫画みつばちさん:79. よそんち

毒源調査に行くはずが、空き家らしいよその家を見つけて興味津々の殿下と働き蜂さん、早速の寄り道です。誰もいないのに蜜いっぱいとはどうしたことでしょう。

2019年6月21日金曜日

78. 調査遠足

みつばち漫画みつばちさん:78. 調査遠足

みつばち漫画みつばちさん:78. 調査遠足

川の流域を大きく避けることで子供達のお腹は治まったものの、問題の川の上流に何があるのか気がかりですよね。

よく晴れた日に危険かもしれない水や蜜を現地で摂らずに済むよう、用意よく水とお弁当も持って元気に出発したふたり。上流を目指していたはずが、早速気になるものが。

2019年6月20日木曜日

77. ジャイアント

みつばち漫画みつばちさん:77. ジャイアント

みつばち漫画みつばちさん:77. ジャイアント

人間の都合で持ち込まれた外来種の西洋蜜蜂が野生化して在来種の日本蜜蜂を駆逐してしまわずに済んでいる理由の一つとして、病害虫の他にオオスズメバチという天敵の存在が挙げられます。共に進化して来なかった西洋蜜蜂は、いきなり現れた強大な敵の前に、なすすべもなく突撃して全滅してしまいます。

すると日本蜜蜂にとってオオスズメバチは天敵でもあり保護者でもあるような微妙な位置づけであるとも言えます。西洋蜜蜂は蜜枯れの季節になると日本蜜蜂の蜜を底を突くまで徹底的に盗む性癖があり、花や住居を巡る競争の他に群れを滅ぼすほどの直接的な脅威でもあるのでなおさらです。

オオスズメバチは日本蜜蜂の群れと見れば手当り次第に襲うわけではなく、いずれ倒れてしまうような弱い群れから襲っていくのも、もちろん自軍の犠牲を最小限にするためですが、淘汰の意味もあり、自然の中に生きるものは全てそうですが、役目を持って大きな絵の一部をなしている存在なので一概に悪とは言いきれません。お面のような頭部は、いつ見ても禍々しくておっかないですが。

人間を刺した場合の被害が甚大で毎年命を落とす人もいるので嫌われていますが、普通に歩いていて刺されたケースは災難なので同情するものの、キノコや木の実を探して山に分入っているケースについては、道をそれること自体がいろいろ危ないのでやめた方がいいのになーと思います。

漫画の中でオオスズメバチさんの言葉が古風なのは、広く外に営巣場所を拡大して勢力を伸ばした蜜蜂や他のスズメバチと違い、今も地中に巣を作るので文化も古式ゆかしいような気がするからです。

2019年6月19日水曜日

76. トビイロケアリ

みつばち漫画みつばちさん:76. トビイロケアリ

みつばち漫画みつばちさん:76. トビイロケアリ

重めのシリーズが終わるとガス抜きに出て来る他種紹介おバカネタ再び!

こんな真剣そのものの殿下初めて…。って、アリさんに拉致されそうになったこともあるのに懲りませんよね。

トビイロケアリさんが巣箱を齧って侵入してくるのは本当です。他の多くの居候たちと同じように幼虫や卵、蜜などに被害を与えることはありません。でも穴は迷惑です。が、木材に穴を開ける覚悟と手段のある相手に対して蜜蝋の栓では効果ないですよね。とはいえ、冬の間はアリさんも勢力拡大は図らないと思うので、侵入する冷気を塞いでおくことは意味があるでしょう。

2019年6月18日火曜日

75. ミツバチさんのお悩み相談(3)

みつばち漫画みつばちさん:75. ミツバチさんのお悩み相談(3)

みつばち漫画みつばちさん:75. ミツバチさんのお悩み相談(3)

西洋ミツバチは集中して同じ花から蜜を集める傾向があるとはいえ、閉じ込めない限り誰も100%とは言いきれないし、言ってないですよね。言わんやあちこちから集めるニホンミツバチさんの蜜をや。

でも何が入っているかよくわからないところも蜂蜜の神秘というか、楽しいところではないでしょうか。

アリマキのお尻から出る甘露は希少ということでヨーロッパでは人気があるしお高いそうです。

「アリマキお尻蜜」

というラベルでは売れなくても

「幻の甘露・限定生産・通し番号入り」

とすればすごく売れそうです!

ちなみに、園芸種や、一部農作物でさえも品種改良の結果、花粉や蜜が少なくなったり、一切出なくなったりしているものもあるそうです。だから正確には「園芸種や農作物も蜜が出るものは美味しい」ということですね…。農作物の品種改良をしている人が授粉の仕組みを知らないということはないでしょうに。

ミツバチさんその他の授粉昆虫が減って農作物の授粉が充分行われない、という問題を踏まえて今後の「改良」がなされますように。

2019年6月17日月曜日

74. 収束

みつばち漫画みつばちさん:74. 収束

みつばち漫画みつばちさん:74. 収束_

採餌圏の著しい制限という犠牲と引き換えに、とりあえずの安全を得たミツバチさんたち。

子供達の健康が戻って一安心ですが、それはつまり疑念通り件の川の上流に何か良くないものがあるということ。一体何が?

現実でも、いえ、現実ではもっとミツバチさんを取り巻く環境は厳しくなっています。

ミツバチさんがかわいい、というだけの衝動に突き動かされて描き始めたこの漫画も、そのミツバチさんのことをもっと知りたくて調べていくうちに既視感が。震災後の生活を記録した『とまとなす』を描いていた時と同じような心境になってきました。それは今の私たちの暮らしが、さまざまな見えない危険に晒されているからかもしれません。今回は抵抗力の小さいミツバチさんの子供達がお腹を壊すだけで済んだようですが、事態がもし悪化したら? おとなのミツバチさんも影響を受けるかもしれません。人間は?

2019年6月16日日曜日

73. A river runs through it

みつばち漫画みつばちさん:73. A river runs through it

みつばち漫画みつばちさん:73. A river runs through it

ビンゴ!

花粉を汚染した毒は川によって運ばれたとの判断から川の流域を大きく外勤係の探索域から外すよう指示した雄蜂殿下。乾燥する季節に川のまわりを封鎖されるのは辛いものがありますが、知らずに毒を運び込んでは元も子もありません。

タイトルを借りた小説は読んでいないし映画も見ていません。タイトルだけで内容を想像して感動してしまう美しいタイトルだと思いました。釣魚大全を愛する私としてはツボだろうと思うのですが、一方で、これは本なら読後に、映画なら最後カメラが引いていって川を見下ろした時に感じてもらうべきことであって、最初にこれがあるのはどうなのかなとも思います。タイトルで気が済んだというか。

原作(小説)の邦題を決める時、苦しんだのかな~と思うのですが、『マクリーンの川』は何も物語っていないのである意味敢えての冴えない題なのかもしれません。

タイトルはある程度読者や観衆をキャッチしなきゃいけない反面、饒舌に語り過ぎてもいけないし、難しいですね。

え?『ミツバチさん』ですか! これはその~、プライベートに描いていたのを勢いで公表することにしたので仮題をつけたのがそのままなんですね~。とりあえず「語り過ぎ」の恐れだけはないでしょう!

2019年6月15日土曜日

72. 線

みつばち漫画みつばちさん:72. 線

みつばち漫画みつばちさん:72. 線

現場百回、ということで現場検証に来た雄蜂殿下と働き蜂さん。

水を飲むにも働き蜂さんに汲んできてもらわないと飲めないなんてねえ。じゃなくて、心もとない
点をつなぐ線が見つかったでしょうか?

2019年6月14日金曜日

71. 目

みつばち漫画みつばちさん:71. 目

みつばち漫画みつばちさん:71. 目

原因のある地点を中心にゆるく放射状に分布するかと思ったらそうでもない。そうなっているのだとしても点が少な過ぎてその傾向が、中心が見えない。といって、それっぽい場所からの花粉を子供達に食べさせてみて「毒でした」では困るので点を増やすこともできない。

こんな時は?

「捜査は足でんなー、山さん」

でしょうか。でもミツバチさんだから翅でんなー、殿下。

働き蜂さんの呪術的絵解きが聞けなくて残念です!

2019年6月13日木曜日

70. 不安

みつばち漫画みつばちさん:70. 不安

みつばち漫画みつばちさん:70. 不安

問題のある花粉が子供達の口に入らないように止めるのは大事なことですが、何も知らずに運んで来た仲間を罰するのは筋違いですよね。悪い知らせを持って来た使者を恨んでも仕方がないように。見えない脅威に対して何かをしないと不安という気持ちはわかりますが。

でもなんだかんだ言って外に出られそう!

女王様の命令なら、明らかにおかしくても不安から目を逸らすため、しがみつくように遵守してしまうかもしれませんが、浮き足立っているだけの統率の取れていない相手なら、こういう時は断固とした意志を持っている者が強いものです。場がそういう存在を求めているので。そんな時に狂王や独裁者が出現すると大変なのですが。

続く。

基礎知識:

実際には毒の花粉で異変が出たら働き蜂さんたちは淡々とその処理をするだけで、運んできた仲間を罰するという観察結果は今のところありません。罰していないということも証明されていませんが。

働き蜂さんは、羽化してオトナになった直後に体の発育を補うために、またロイヤルゼリーを合成するためにたくさん花粉を食べます。が、体が完成するとその後は花粉はほとんど食べないとされます。

でも内勤時代に比べて外勤蜂さんは翅筋が発達していることがわかっているので、その筋肉を作るためのタンパク質はどこかで補充しているのではないかと思うのですが、どうなのでしょう。

注:一般に外勤蜂さんが蜜または花粉を集めることを「採餌活動」と呼びますが、ミツバチさんが自らの食べ物を「餌」というのはおかしいと思うのでミツバチさん視点の言葉として「採食活動」としました。

2019年6月12日水曜日

69. 毒の花

みつばち漫画みつばちさん:69. 毒の花

みつばち漫画みつばちさん:69. 毒の花

虫に頼らず風で授粉を行う風媒花なら花粉を持ち去られたくないかもしれませんが、一般によく目立つ美しい花は蜜の用意があるから花粉を運んで欲しいというサインです。

蜂より蝶に来て欲しい花もあり、そういう花は蜂には吸いにくい/吸えない形状に進化していたりしますし、ミツバチさんが食べたら命にかかわる毒の蜜を出す花もありますが、我らが働き蜂さんは知らない花からは花粉を集めていないと言っているため、雄蜂殿下はこれまで協力関係にあった花が突然毒に花粉を持つようになった可能性を検討し、否定しています。

花のせいでないなら、どうして子供達のお腹が悪くなったのでしょうか。花に着せられた汚名を晴らすため、立ち上がった働き蜂さんと雄蜂殿下! 続く。

※盗蜜とは、花が花粉媒介の報酬として用意している蜜を、正規の手順を踏まず、従って花粉を運ばずに蜜だけ得ること。花に穴を開けたり、破壊したり、長い舌で蜜だけ吸ったりなど、いろいろ手段はあります。ミツバチさんは盗みません。でも、ハナバチさんが開けた穴があったりすると、ちゃっかりもらったりはするそうです。だって、ミツバチさんには、それがいけない穴だとはわかりませんから! なぜ吸うのか、そこに蜜があるからだ! 以上。

以前西洋ミツバチが押し掛けて蜜を盗んで行ったことがありますが(24. 白昼強盗)、蜂の蜂による蜂相手の蜜泥棒は「盗蜂」として盗蜜とは区別されています。蜂を盗んでいくわけでもないのにね~。でもそんなこと言ったら「盗人」も人を攫っていくわけでもないのでした。

2019年6月10日月曜日

68. かんながけ

みつばち漫画みつばちさん:68. かんながけ

みつばち漫画みつばちさん:68. かんながけ

せっかく集めてきた花粉を食べた子供達がお腹を壊し、身に覚えがないのにその責任を問われて閑職をあてがわれた働き蜂さん、殿下との通信も分断され大ピンチ!

…そうでした、プラプラ得意な殿下の方から来れば問題なかったのでした。

続く。

社史編纂室なんて終身雇用時代の思い出話で置いてくれるだけマシ、今は追い出し部屋らしいですよ、働き蜂さん! あ、ミツバチさんの社会は昔も今も終身雇用制でしたね。

さて、「かんながけ」は、そうです、実際には製材しているわけではなく、それっぽい動作をしているだけなんです。では何なのか、というと、発見者、25匹の働き蜂の動きを羽化から22日間、221時間に渡って観察し続けた愛と根性の人、大谷剛さんの原文を、ちょっと長いですが編集すると正確さと体温が失われるので、そのまま引用します。

”表に示した25個体のうち、一番「仕事」をしなかった印象の強いのは3699ですが、数値の上では意外にも働いた方です。(羽化後2日から22日までの221時間の観察のうち、勤務時間は46%、一日あたり11時間勤務)。この個体はB1(巣室に頭から入り込んでいる。仕事中か休息中か、はっきりしない)とWx(ロウを齧っている)が長く、Wxも巣の周辺部のロウをいい加減にー熱心ではないが長く続けてー齧っていたのです。B1も空き室がかなり多かったと記憶しています。(B1とWxを除くと仕事時間は4.8時間に低下。なお表4はB1とWを除いた数値)。多くの仕事もちょっとやっては他の個体にとられ、または任せ、ブラブラしながら次の仕事に少し手をつけるという印象でした。また他個体にあまり見られなかった「かんなかけ行動」(巣壁でかんなを掛けるように体を前後させ、脚で壁面をなでる動作を繰り返す)が多く、これは仕事に含めませんでした。私はこのかんなかけを檻の中の熊の往復運動と類似のものと見ています。つまり、仕事がやりたくても他個体に取られてしまうので、一種のフラストレーションに陥り「かんなかけ」をするというわけです。"(『ミツバチの世界』/坂上昭一 より引用)


絶版で手許にないと言ったばかりの坂上先生の『ミツバチの世界』ですが、なぜ逐語引用できるかというと、重要な箇所と好きな箇所はノートをとっておいたからです。コピーではなくタイプしたのでタイポは心配ですが…。名著なので中古でもいいから買わなくちゃ! 復刊ドットコムに出すべきでしょうか。

強制収容所では囚人を苦しめるために強度が高く消耗の激しい穴掘りをさせることが多いのですが、さらにこの穴を埋めさせ、また掘らせる、ということをすると気の毒な囚人達には、かなり堪えるそうです。埋めたばかりの穴なら掘りやすいのではないか、とか、そういう話ではなく、無意味な労働をしているという無視できない事実が精神的に厳しく心が折れるのだそうです。

従って、この「かんながけ」は、大好きな蜜集めを禁じられた働き蜂さんが(罰として?)命じられる仕事として適切なように思いました。

ところで、後の坂上先生の著書『ハチとフィールドと』では、大谷さんの同じ観察記録が表として使われていますが、さりげなく「かんなかけ」にあたる労働が「特殊清掃」に名称変更されており、しかも花粉押し固めと位置が逆になっています。これに対する説明は、この著作中にはありません。『ミツバチの世界』以後にかんながけが実は巣の衛生条件向上に役に立っていた、などの新知見が得られたのもしれませんが、それは私には今のところ不明のままです。

この「かんなかけ」の発見からわかる重要なことは何かというと、仕事がなくなったらスイッチが切れるように休んだり寝たりする働き蜂さんばかりではないということです。労働意欲に差があることが群れを強くする、ということは前にも言いましたが、個性の発現は労働意欲の差だけではなく、意欲はあるのに要領が悪い(でも仕事したい)、というような個性もあり、実にいろいろだということです。

ミツバチは超個体であり、群れを個体と考えるべき、との考え方は子供の頃に学校で教わりましたが、それでもじっと見ているとそれぞれに個性があって何事かを考えており、同じ現象に対する反応が一律ではないことがわかってくる、このあたりがミツバチさんに魅了されていく人が後を絶たない理由のように思います。巣を守って倒れる働き蜂さんの犠牲に涙することが血小板が傷口を塞いで自身は働きを終えることを悲しむのと同じ、と割り切ることはできない何かがあります。それはすなわち、個体が脳を有し、そこに個性が見られることではないでしょうか。

見かけだけでもすごくかわいい、ということを置いても、です。

2019年6月9日日曜日

67. 謹慎

みつばち漫画みつばちさん:67. 謹慎

みつばち漫画みつばちさん:67. 謹慎

一生懸命外で働いて来たというのに、覚えの無いことを責められて大好きな蜜集めを禁じられた働き蜂さん、殿下は外で待っているし愚痴をこぼそうにも助けを求めようにも外出禁止。働き蜂さん最大の危機到来か!

かんなをかけながら泣いてしまう働き蜂さんですが、決して蜜集めを愛するあまり大工さんの仕事を軽んじているわけではありません。が、それについてはまた明日。

続く。

2019年6月8日土曜日

66. ヨウホウの父

みつばち漫画みつばちさん:66. ヨウホウの父

みつばち漫画みつばちさん:66. ヨウホウの父

「三角関数? 何に使うんだよ、だりー!」
「三角関数はすごいですよ! ピラミッドだって三角関数を使って計算されているのです!」
「俺ファラオになる予定ねーし!」(←計算は技師の仕事だと思うよ)

誰でも三角関数/積分/因数分解で苦し紛れに先生にこのように絡んだことがある、あるいは絡む人を見たことがあるのでは。先生もヘタクソですよね。ピラミッドなんてぶっ飛んだ例ではなく、「シューティングゲームで手抜きなサインカーブの敵の動きを見切りやすくなる」とかもっと卑近な例を出さなくちゃ! わかってても吸い込まれて衝突するんですが…。

さて、英語でこれに当たるのが

「古い英語なんてイラネー! アメリカ英語の方が将来仕事で使えるんじゃね?」
「シェイクスピアが原文で読めますよ!(ウットリ)」
「え~、読みたきゃ日本語で読むしそのうち漫画化されんじゃね!」

ではないでしょうか! ちなみに生徒は私ではありません。

でも、シェイクスピア英語も、実はずーっとずっと後になって思いがけず蜜蜂さんにハマッた時に英国養蜂の父の著書を原文で読めるという恩恵があったのでした。これは予測できなかった! というわけで、故ジョブスも「人生に無駄なものなどない」と言っているように、乏しい資源を最大限に活用することが上手な(本当に古い、なにげない情報を引き出して間に合わせたりしますよね)人間の脳の栄養として、いろいろな体験はもちろん、わざわざむこうから教えてくれるというものを拒否するなんてもったいないことです。ああ、もっと真剣にやればよかった!

枕が長くなりましたが…

地図でヤケクソになって文字も読めることにしたわけではありません。これは「お悩み相談」「広報」のような番外編だと思ってください。蜜蜂さんサイズのシェイクスピア時代の原本も多分現存しないと思います!

漫画の中に原文が使っている単語を入れたのは、「雄蜂=怠け者」とする箇所が、雄蜂(drone=怠け者の意味もある)を私が誤訳しているのではなく、わざわざidle companionという別単語を使うことで養蜂の父が意図をハッキリとさせていることを伝えたかったからです。

「今でこそ蜜蜂が足りない、授粉がされない!」という叫びが上がって蜜蜂さんの仕事の大切さが理解されつつありますが、昔は蜜蜂が蜜を吸うと花が弱る、と、信じられていた時代もあるそうです。次の飼育書の著者があるいは参考に、あるいは引用にし、またその次が…と繰り返し今に至るためか、現代の飼育書も子孫を残すという役目があることはさすがに書いてありますが、雄蜂に対する基本姿勢は大差なかったりします。現在の雄蜂さんたちが受けているひどい扱いについて、草分けのこうした態度が後代に与えた影響は大きいような気がします。

人は先入観に割と弱いですから。とりあえず、わからないことを断言するのはよくないですよね。わかっていないということをわかっていないから断言してしまうのですが。

本当に現れて反撃してくれないかな、養蜂の母!